篆刻の印材は基本的に「石」です。でも、相当やわいです。ロウセキとは言いませんが、それ系と思っていいですね。(ロウセキって今時通じるのかな?)
 石がきれいなら、彫る面だけやすりがけします。いまいちな場合は、6面全部磨きます。
買った印材は、大抵この3種類です。
    《印材のタイプ》
  1. ピカピカに5面が磨いて、ワックスっぽいものまで塗ってある。
  2. 切り出した後、多少やすりがけしてある。
  3. 多少やすりがけした上に、油っこいワックスが塗ってある。
印材の臘
臘のようなワックスが塗ってある印材

(1)の状態は、高価な材料に多いです(当然だ)。廉価な物でも、なんとかこのタイプとみなせることが多いかと。
(2)の状態は、 安い材料に多いのですが、だからといって悪い材料とは限りません!磨けば、すばらしい材料になる物もあります。丸ノコで切った跡が側面に残っているのは、いただけないので磨いておきたい。
(3)の状態は、安い青田石によくあります。爪で削りとれるくらいのやわらかいワックスというかロウみたいなものです。

ツヤのある印材
高価ではないがツヤのある印材
ワックスというか塗装が施してある
印面の鋸目
彫る面は細かいノコギリ目があるので
#320のやすりで仕上げる


《印材のタイプ別磨き方》
まず目的は、彫る面を平らに整えるためにやります。
上の(1)の時は#320のみでOK。
(2)の場合とかで、すこし修正が必要な時は#180でみがいて、#240〜#320と番手を上げてペーパーがけします。彫る面は#320で最低限いいんですけど、他の5面をペーパーがけする場合は仕上げが#320だと、結構粗い感じになるので、やっぱり#600くらいまでかけたいですね。
(3)の場合は6面かけると、キレイになって印への愛情が高まるんじゃないかな。そのまま紙やすりをかけると、目詰まりしてすぐにやすりがダメになるので、要らないカードとかプラスチックな物で、こそげ取ります。 
耐水ペーパー
耐水ペーパー(#320)ペーパーは2等分か3等分にして使ってます


《初心者にありがちな例ー印面が平らにならない!ー》
それで、初心者によくありがちなのが、平らにペーパーがけしようとして、最初より悪くなる場合です。よくあるというより、人並みの方はまずこうなります。だんだん斜めってきて、机に置くとなんか起き上がり小法師みたいにゆらゆらするーみたいなことになります。そんな時に、いろいろな指導方法(丸を描きながらペーパーがけする、材料の下の方を持つ、2つ一緒に材料を握って等)が言われますが、僕の場合は「さらっとペーパーがけしとく!」です。「だいたい平らっぽいかな」という材料の時、お店の棚にならんでたままじゃ、ちょっとあれなので、#320のペーパーを「さらっと」かけます。はじめての人が、せっかく篆刻をしてみたいと思ったんだから、「ペーパーがけが一番苦労したけど、楽しかったー」なんていう感想になるのは残念なんで、この工程は適当にしときましょう。だいたい押せますから。やっぱり、彫って押すのが篆刻の楽しいところでしょー。