こんなスケッチをします
篆刻の難しい所は、はじめての人は大抵、彫る作業だと言い、玄人はデザインすることが難しいと言うでしょう。デザインする作業を印稿(いんこう)を練るとか言いますが、特殊な言葉はあまり使わないことにします。
それで、まずは字書で調べた文字を四角(丸でも不定形でもいいけど、作りたい形)に書き込んで、ラフなデザインを考えます。デザインのまとめかたは、その内容ごとに違ってくるので、語るのが難しいです。まずは、実際にデザインしてみましょう。
字書から文字を写して、イメージを考えつつ、スケッチを書きます。今回は、1文字なので、四角の中で少し右に寄せてみようか?とか文字の重心を高くしてみようか?とか、縁の太さをどのくらいにしようか?とか考えてみます。
そして、本番のデザインはこんなです。原寸大に書きます。僕は白い紙に黒の墨で書きます。直しは修正液を使ってもいいですけど、細かく修正するには毛筆がいいので胡粉(ごふん)という絵の具を使ってます。本当は、黒い紙に赤字で書くのがちゃんとしたやり方です。
彫るときは、このデザインと寸分違わないように彫るのが目標なので、この段階で細部まで本気のデザインをします。