印に彫る文字が決まったら、篆書を調べます。篆刻では篆書を使って彫ります。
広い意味での篆書は、中国の古代文字「甲骨文」から秦の始皇帝が文字を統一するまでの、少なくとも1000年の間使われていた書体です。中国は広いので、地域の違いもあるし、年代の違いもあり、さまざまな篆書があるので、細かい意味での書体を揃えてハンコを作らないといけないです。
ざっくりと主なものをわけると
甲骨文は
亀の腹甲や牛の肩甲骨に彫られてたという文字で、刃物で彫ったので直線的だと言われております。動物をもろに描いたような、ザ象形文字みたいな文字もあって萌えます。
金文は
青銅器に鋳込まれた文字です。お祭り(っていうか礼拝とか呪術とかみたいな感じ?)で使われた酒器とか大皿みたいなものとか、大鍋みたいなものが、いまでも残ってます。
けっこう曲線的です。最初は短文だけど、時代が下ると長文もあります。
小篆は
秦の始皇帝が文字を統一した時の書体。左右対称で縦長、文字の太さが一定というもので、狭い意味での篆書として、小篆を指すことも多いですね。李斯(りし)っていう今の日本の総理大臣みたいな人が書いたことになってます。当時、石に彫ったものが、中国にいくつか残ってます。
その後、清時代に篆書ブームが興って、書の達人がこの小篆をもっともっと洗練させました。
印篆は
四角いハンコにデザインする為に、四角っぽくした篆書です。主に漢時代のハンコに使われた書体を指します。志賀島で見つかった金印「漢委奴国王」は、この時代の印の最高峰ですね。
字書/字典
篆書を調べるのに、字書が必要です。無いとだめです。ちなみにこういう文字のジショは「字書」って書きますね。篆書は、近年研究が進んでいるので、あんまり古い本はよくないです。お勧めをいくつか挙げましょう。
牛窪先生の「標準篆刻篆書字典」は初心者にチョーお勧めです。(上の写真は開いた所)篆書の種類から小篆、印篆、金文、古ジの4種類が載ってます。同じ横列の文字を組み合わせれば、間違いないというわけです。
綿引先生の 「総合 篆書大字典」はこの中では一番新しい本で、とてもよくまとまっている篆書総合字典です。これ一冊でそうとう使えます。
あと2冊は、篆書の純粋な字典ではないのですが、
蓑毛先生の 「必携 篆書印譜字典」は篆刻の押した印影(いんえい)を集めた字典です。印をデザインする時に参考になります。そして、代表的な篆書も各文字にペン書き風に書かれていますので、篆書の字書としても使えます。
伏見先生の「角川書道字典」は、今となってはもう古い字典になってしまうかもしれませんが、篆書だけでなく楷書や行書草書隷書、ひらがなまで古今の古典から文字を収録したもので、信頼できる字典です。
広い意味での篆書は、中国の古代文字「甲骨文」から秦の始皇帝が文字を統一するまでの、少なくとも1000年の間使われていた書体です。中国は広いので、地域の違いもあるし、年代の違いもあり、さまざまな篆書があるので、細かい意味での書体を揃えてハンコを作らないといけないです。
ざっくりと主なものをわけると
- 甲骨文(こうこつぶん)
- 金文(きんぶん)
- 小篆(しょうてん)
- 印篆(いんてん)
甲骨文は
亀の腹甲や牛の肩甲骨に彫られてたという文字で、刃物で彫ったので直線的だと言われております。動物をもろに描いたような、ザ象形文字みたいな文字もあって萌えます。
金文は
青銅器に鋳込まれた文字です。お祭り(っていうか礼拝とか呪術とかみたいな感じ?)で使われた酒器とか大皿みたいなものとか、大鍋みたいなものが、いまでも残ってます。
けっこう曲線的です。最初は短文だけど、時代が下ると長文もあります。
小篆は
秦の始皇帝が文字を統一した時の書体。左右対称で縦長、文字の太さが一定というもので、狭い意味での篆書として、小篆を指すことも多いですね。李斯(りし)っていう今の日本の総理大臣みたいな人が書いたことになってます。当時、石に彫ったものが、中国にいくつか残ってます。
その後、清時代に篆書ブームが興って、書の達人がこの小篆をもっともっと洗練させました。
印篆は
四角いハンコにデザインする為に、四角っぽくした篆書です。主に漢時代のハンコに使われた書体を指します。志賀島で見つかった金印「漢委奴国王」は、この時代の印の最高峰ですね。
字書/字典
篆書を調べるのに、字書が必要です。無いとだめです。ちなみにこういう文字のジショは「字書」って書きますね。篆書は、近年研究が進んでいるので、あんまり古い本はよくないです。お勧めをいくつか挙げましょう。
- 標準篆刻篆書字典 牛窪 梧十
- 総合 篆書大字典 綿引 滔天
- 必携 篆書印譜字典 蓑毛 政雄
- 角川書道字典 伏見 冲敬
牛窪先生の「標準篆刻篆書字典」は初心者にチョーお勧めです。(上の写真は開いた所)篆書の種類から小篆、印篆、金文、古ジの4種類が載ってます。同じ横列の文字を組み合わせれば、間違いないというわけです。
綿引先生の 「総合 篆書大字典」はこの中では一番新しい本で、とてもよくまとまっている篆書総合字典です。これ一冊でそうとう使えます。
あと2冊は、篆書の純粋な字典ではないのですが、
蓑毛先生の 「必携 篆書印譜字典」は篆刻の押した印影(いんえい)を集めた字典です。印をデザインする時に参考になります。そして、代表的な篆書も各文字にペン書き風に書かれていますので、篆書の字書としても使えます。
伏見先生の「角川書道字典」は、今となってはもう古い字典になってしまうかもしれませんが、篆書だけでなく楷書や行書草書隷書、ひらがなまで古今の古典から文字を収録したもので、信頼できる字典です。